2025-03-13 飛翔
なぜか「こいのぼり」と「赤とんぼ」が脳内で混線する、火星からの侵略者によって宇宙線を浴びせられた結果SEUが発生しているのだろう。こいのぼりは背負われて見るものだし、赤とんぼは屋根より高くないと落ち着かない。しかし、屋根より高いぐらいで満足するようでは美しい国に生きる者としての義務は果たせない。矜持を持って、高く、より高く、飛翔してみせよ、竹とんぼ、かつて皇国の民は竹槍で爆撃機ぐらい落とせて当然であった、いわんや。
ということで、空を自由に飛びたいな。TAMIYAの強そうなモーターをAmazonで注文。電動機についてはさっぱりわからないが、国産品に羽をつければ成層圏ぐらい軽く突破できるに違いない。イカロスも本邦の製品を用いるべきであった。


なんということだ、この電動機の巨体からは飛ぶ意志を微塵も見出せないではないか、一体いつからこの国の若者はここまで欲張りになってしまったのか。しかし案ずることなかれ、高貴さには義務が伴う、かつて学区で百本の指に入るとされた博学才穎たる吾輩が解決してみせよう。電動機飛ばずとも、竹とんぼは死せず、何もタケコプターを作る必要はない。竹とんぼが飛びさえすればいいのだからモーターは発射台にしよう、なんと柔軟な発想だろうか。我が人生最大の閃きである、これにはアインシュタインも嫉妬するに違いない。
航空宇宙産業に慎重な試運転は付きものだ。電動機の試運転をしようと、先日購入した手持ちの電源に繋いでみたところ、一瞬回転して止まる事象が発生する。しかしこの程度、私のちょっと匂う脳細胞にとっては役不足である。これがDCモーターであることを25時間26分程度で看破し、工作に移った。

刮目せよ、これが完成した発射台の全景だ。セロテープ、ティッシュペーパーを固定に用いる徹底したコストカット技術は、SpaceX社を凌駕する。あなたは人類の未来を目撃したのだ、既に感涙のあまり前が見えていないことだろう。勿論、あなたの感動には大いに共感できるが、そこで満足しないでもらいたい。打ち上げ時刻がやってきた、涙を拭い、五感を駆使して見届けようではないか、宇宙時代の胎動を。