2025-02-25 負担論争

先日ネタにした友人が入籍した。人は出会い、デート費用の負担で争い、家事の分担、子育ての方針・負担、親の介護負担、老後の生活...そして火種を相続問題として子孫へと受け継ぐ。素敵なことですね、行く先々に幸あれ!
彼らはそんな果てしない闘争に身を投じている訳だが、何も火種は男女の関係だけにあるわけではない。子供部屋おじさんであっても、置物してないで掃除しろ等々言われて頭に来ることはある、こんな記事を書き出したのもそれが原因である。そんなこんなで、この愛すべき家事負担問題に対してお金を指標に試算して遊んでみよう。
居住地域の家事代行サービススタッフの平均時給は1,167円[1]であった。非常に効率的に家事をする二人世帯で一日凡そ3時間の家事としてみると一ヶ月10万円程度になる、結構な労働である。それでも過小評価な気がしないでもないが一旦良しとしよう。
夫婦が、生活費を給料比に応じて出し合う想定にしよう。一方が専業で家事を行う場合、xxをもう一方の月々の手取りとすると、(x10):10(x - 10) : 10の割合で生活費を出し合うことになる。雑だが、二人以上の世帯の消費支出は約30万円[2]となっているので、これを生活費とみなしてみよう。給与所得者のお小遣いは、(x30)×x10(x10)+10(x - 30) \times \frac{x - 10}{(x - 10) + 10}となる。サラリーマンのお小遣い平均約4万円[3]がここから捻出されたとすると月々の収入として、4=(x30)×x10(x10)+10x364 = (x - 30) \times \frac{x - 10}{(x - 10) + 10} \Leftrightarrow x \simeq 36 となる。日本平均の年収よりは100万ほど高いことになるが、世のお小遣い金額というのは結構妥当なのかもしれない。
これに気をよくして、フィナンシャルプランナーごっこを続けてみよう。共働きの場合、一方の月々の手取りをx1x_1、家事の負担分をx2x_2、もう一方をy1y_1y2y_2としてみよう。xxの月々の生活費の負担割合はx1y2+x2(x1y2+x2)+(y1x2+y2)=x1y2+x2x1+y1\frac{x_1 - y_2 + x_2}{(x_1 - y_2 + x_2) + (y_1 - x_2 + y_2)} = \frac{x_1 - y_2 + x_2}{x_1 + y_1}になる。均等な事負担を行ったとして、日本の男性・女性平均手取りを想定する[4][5]と、凡そx1=38x_1 = 38y1=21y_1 = 21で、各々の月々の生活費の支出分は凡そ19万円、11万円になる。現実問題、女性側に家事負担が寄る傾向にあると思うが、女性側が100%家事負担をしたとしてみると、各々が出すべき生活費は22万、8万になるので、残る可処分所得はそれぞれ16万、13万になる。平均年収の共働き男女が共同の財布で生活する場合、女性が全ての家事を担うというのもこの視点からは一理あることになる。
勿論、上のは簡単な試算に過ぎない。現実にはもっと多くのパラメータが考慮されるべきなのは認識しているが、それなりに面白かったので試算を続け、子供部屋おじさんの生活費はいくらが妥当かについても検討してみよう。
おぢの追加で増える家事負担について考慮してみよう。増加する家事コストは主に料理・洗濯になるかと思われるが、それによって日々1時間程度労働時間が増えると仮定すると、月々3万円分を支払うべきという話になる。おぢの追加で増加する生活費がいくらかは不明だが、前のように世帯内の給料比で計算するよりは、単身世帯扱いで生活費を考慮した方が体裁が保てそうな気がするのでその方針で考えてみる。単身者の月平均支出は17万円程度[2]で、食糧・住居・光熱費に限ると、凡そ8万円程度になる。雑費込みで月々9万円家に納めれば、支出の観点からは、それなりに体裁が繕えるように思われる。増加する家事負担を足せば12万である、それだけ家に納めるべきだなと試算したところであるが、私はそこまで納めていない、置物呼ばわりは妥当である。頭に来ている場合ではないので、大人しく家事手伝いをすることにしよう、誠に親というのはありがたいもので。

参考