2025-04-12 合法廃墟

日本神道は土着信仰の闇鍋みたいなものだと思うが、お陰で体系立った情報が不足している。2025年4月12日に行ってみた「東国三社巡り」も有名ではあるが、何者なのかはよくわからない。よくわからないので細かいことは気にせず自由に旅行案内でも書いてみよう。
東国三社で思い出すのは「日本古代呪術」[吉野]である。内容はうろ覚えだが、古代人は生命のサイクルを重視し、そのメタファーとしての穴の出入りが各所に普遍的に見られるという論だった気がする。その一例が、太陽の昇り沈みや天の岩戸であったりするとのことだ。それが東国三社とどう関わるかというと、鹿島神宮と出雲大社を結ぶと凡そ日本本土の東西最長線、つまり太陽の通過ラインになるとかで言及されていたような。
それはさておき、「日本古代呪術」[吉野]で最も気に入ったのは、神木を男根とみたて地面(穴)と接合...つまり性交であるが...している根本で儀式を行うことで、巫女が神を身に宿すという解釈である。つまり神社はおちんちんランドだ。そんな夢の国を目的に東国三社に行く人はいないだろうけど、伊勢参りもしない現代において何の目的で行くかというと、やはりインスタ映えになることだろう。
インスタ池
インスタ池
実際、三社いずれも雰囲気の良い場所なので気持ちよく散歩できることだろう。さらには東国三社のおまけとして、かの伊能忠敬の住んでいた佐原の街に立ち寄るといい感じの半日プランになると 思われる。佐原の街は古い姿を残しており見応えがある、おまけに鰻が美味しい。
うなぎ割烹山田 じか重 並
うなぎ割烹山田 じか重 並
余力があれば、立ち寄るべきは「鹿島海軍航空隊跡地」である。所謂負の遺産であるが、原爆資料館のような悲壮感はない、どちらかというとただの廃墟だ。公式のHPやSNSは存在するが、稼働しているのか疑わしく思う程度には更新されていない。しかしご安心頂きたい、私が行った際には特別展として「映像研には手を出すな!」関係の展示を行なっていたので、まだ現役のようだ。
観光地化された遺構は、強固な柵が目立ち嫌いなのだが、ここは赤コーンが少々設置されている程度のもので非常に大らかであり好印象を抱く。下の写真が合法的に撮影できるあたりその大らかさが理解できるだろう。

参考

吉野:日本古代呪術 (ISBN13: 978-4062923590)