2025-03-06 外食記「ビリヤニ大澤」

チキンビリヤニ
さて、「ビリヤニ大澤」のHP[1]から、オーナーのプロフィールを抜粋しよう。
大澤 孝将『ビリヤニ大澤』のオーナーシェフ。長野県生まれ。大学生のとき、インドで出会ったビリヤニに衝撃を受ける。そこからビリヤニの研究を始め、間借りビリヤニ屋のオープン、ビリヤニシェアハウスの立ち上げ、モダンインド料理での勤務など様々な角度からビリヤニを追求する。コロナ禍をきっかけに自分を見つけ直し、ビリヤニ専門店『ビリヤニ大澤』を2021年8月にオープンした。ビリヤニ調理を科学的に分析し、究極のビリヤニを目指している。
ビリヤニはインドカレー屋で何度か食べてみたことはあるが、さして印象的な料理ではなかったので興味深い。大澤氏のインタビュー[2]を読むと、日本で食べるビリヤニは紛い物が多い云々、であれば本物のビリヤニなるものを試してみたくなる。
開店時間になると、大澤氏直々に迎え入れられ、全員揃ったところでメニューの説明が始まる。店主は結構小声で、正直話が聞き取りづらいのだが、実直な雰囲気をひしひしと感じて勝手に好感を抱く。カウンターと小さなキッチンだけの狭い空間ではあるが、派手なゾウさんがぶら下がったりしていない落ち着いた内装で、居心地は悪くない。
この日頂いたチキンビリヤニはよくできた一皿だ、延々と食べ続けることのできる絶妙な味付け、万人受けすることだろう。どうもインディカ米は、パサつきといい、風味といい、あまり美味しいイメージがないのだが、このビリヤニにおいては何一つ嫌な感じがしない。味の骨格になっている鶏肉も美味しい、強いて文句を言えば小骨が多くて食べるのが手間な程度である。
何よりも印象深いのは、オイルをかけることで際立つ鼻腔を突き抜けるスパイスの風味、なるほどこれがビリヤニの美味さかとひとり得心する。しかし、意見を共有する声はない、店内は非常に静かだ、皆黙々と食べ続ける奇妙な空間になっていた、店主に釣られて皆真剣になったのか。おかげで、全員食べ終わるのが早い、食事スピードの遅い人は焦るとの同行者談であった。
ビリヤニとコーラはインドでもセットらしい、この店でも食後に飲むことを強く推していた。当然注文、お出しされるのは氷点下で冷やされた瓶コーラでこれまた絶品である。炭酸こそ感じないが、しっかりと鼻腔を通っていく。ビリヤニの余韻を楽しんでもらいたいという大澤氏の意図と工夫を感じる。
まとめに入るが、値段が高めなのは確かだが、店主に対する好感と、味に対する納得感もあり、結構満足した。予約が取れるなら試されても良いのではないだろうか。
追記 2025/03/14
インド料理屋のビリヤニがどんなものだったか、再度試そうと思い近場のを食べてみた。ピラフのような、炒飯のような一皿であった、恐らく以前食べたのもこんな味だったことだろう。やはり「ビリヤニ大澤」のビリヤニとは異なる物である、あの風味を確かめに再訪したくなってきた。
参考
1:ビリヤニ大澤