2025-05-26 子供は贅沢品か
先日、もうすぐ2歳になる甥に初めて会った。丸々とした見た目にそぐわぬ旺盛な食欲を披露してくれたが、食べ過ぎなので生活習慣病には気をつけて。彼のエンゲル係数がどこまで伸びるのかはさておき、数年もすれば教育費も嵩むことになるだろう。具体的にいくらかかるのか気になったので調べてみたところ、大学卒業まで子供を育てるのにかかる費用は凡そ2,800万円程度とされている[Benesse]。3000万円になると昭和の憧れ高級スポーツカーが新車で一台買える価格帯になる。子供を見かけたらFerrariが走っているとみなすことにしよう、うかうかぶつかるわけにもいかない。
子供の数や進学先で大きく変わるが、その辺りの額は覚悟すべきなのだろう。参考までに、令和5年度の調査[文科省]によると、幼稚園3歳から高等学校第3学年までの15年間でかかる学習費は、全て私立に通った場合2,000万円、全て公立に通った場合600万円となっている。
しかし、それだけの大金払い切れるのだろうか。それなりに成功した場合の生涯年収は3億円程度[SMBC]とされている。そのケースを採用して雑に年収750万円で40年過ごしたと仮定すると毎年の手取りは550万前後が予想される。生涯の手取りは2.2億円=22,000万円となるので一人当たりの養育費2,800万円は生涯賃金の12.7%である。数人は耐えきれそうにも見えるが、老後に備えて家を購入するなど考えた際、二子育てれば叙勲に値する働きに思える。
ということで金額感は見えた、確かに贅沢品と言ってもよいだろう。吝嗇家の友が、子供には年齢に関わらず働いて貰わねばならないと語っていたように、高性能乳児に労働させることを考えよう、つまり家事を任せる。以前、家事は月々10万円分の労働に相当すると仮定したので、その数値を採用してみると、年に120万円、従って大学卒業までの22年間で2,620万円となり、凡そ元が取れることになる。現代では虐待であるが、少子高齢化の原因の一つは子供を大切にし過ぎている点にあるというのも一理ないこともない。
2025/05現在、児童手当が総額240万円前後、出産育児一時金で50万円等々、各種手当でいくらか負担を減らすことは可能である。有用な支援だとは思うが、依然負担が重いのは事実だ。上で挙げた生涯年収も現在の世帯年収分布から鑑みるに少数派である、子育ては共働き世帯が血反吐を吐きながら頑張る時代なのはまず間違いないだろう。
参考
Benesse:子育てに必要な費用はいくら?
文科省:令和5年度子供の学習費調査
SMBC:生涯年収の平均はいくら?